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お金の無駄と感じる人も一定数いる
この記事の監修者と編集者 監修:公認心理師/臨床心理士 FUMI(左写真) |
心理カウンセリングに対して「こんなのお金の無駄だった」と感じる人も一定数存在します。
そう思ってしまうのは、以下のような理由があるからです。
- 「カウンセリングをしたけれど効果を感じられなかった」
- 「カウンセリングで更に悪化した」
効果が感じられなかった
- 「ウンセリングを受けて悩みが解決すると思っていたのに、期待外れだった」
- 「カウンセリングの効果が無いように感じた」
そんな気持ちになってしまうと、「カウンセリングなんてお金の無駄だった」とガッカリするのも頷けますよね。
カウンセリングを受ける機関によって変わりますが、1回60分前後の対面カウンセリングにつき2000円~1万円の料金が発生します。
また、1回限りで終ることは稀で、週1回のカウンセリングを半年間ずっと続ける人も。
これにプラスして交通費がかかってくるため、効果が無いと余計にお金を無駄にしたと感じやすいのです。
むしろ追い詰められ悪化してしまった
心理系資格を持っているけれどカウンセリング経験が乏しい、あるいは心理系資格を持っておらずカウンセリング経験も少ないカウンセラーを「名ばかりカウンセラー」といいます。
そんな名ばかりカウンセラーに引っかかったことで、追い詰められ症状が悪化してしまうというパターンもあるのです。
カウンセリングで主となるのは相談するクライエントの気持ち。
そしてカウンセラーが、クライエント自身や言葉、想いを否定せず受け入れること。
それを理解していないカウンセラーがクライエントの悩みを否定するなど、誤ったカウンセリングをする…。
その結果、心の病が悪化して「余計なことにお金を使ってしまった」と絶望感に苛まれるのでしょう。
そうならないための解決法【準備編】
期待していたようなカウンセリング結果を得られなかったり、名ばかりカウンセラーに引っかかって損をしないための解決方法をご紹介します。
まずは準備編から。お金の無駄だったと思わないためには、
- カウンセリングの予備知識を持つ
- 自分の悩みに合うカウンセラーと出会う
- 口コミなどを確認する
この3点がポイントとなるのです。
カウンセリングの予備知識を持つ
カウンセリングではどんなことをすると思いますか?多くの人はカウンセリングに対して、
- 「カウンセラーが悩みを解決するアドバイスをくれるはず」
- 「どう生きるべきか教えてくれそう」
- 「絶対に心の病が良くなる」
と期待をし過ぎてしまいます。でもカウンセリングって本当は、思っているものとは少し違うのです。
カウンセラーは相談者の悩みに対し、「こうしてみるのはどうですか?」と提案することはあっても、「こうしなさい」と指示することはありません。
カウンセラーの基本姿勢はクライエントのサポート役だからでしょう。
クライエントが自分で気付いて、自分でこうしてみようと行動を起こすことが大切。
よって、全てのカウンセラーがアドバイスをくれたり、指摘してくれる訳ではないのです。
また、カウンセリングに通ったからといって絶対に症状が良くなるとは断言できません。
人によってカウンセリングで気持ちが軽くなったり、そもそも人に相談すること自体がストレスになって悪化する場合もあります。
こうしたカウンセリングへの予備知識を持っておくと、変にカウンセリングへ期待し過ぎることも減るでしょう。
自分の悩みにあったカウンセラーと会う
- うつ症状へのカウンセリングが得意である
- 復縁や失恋など恋愛の相談に強い
など、カウンセラーによって専門とする分野に多少の違いがあります。
「カウンセリングに通って良かった」と思えるように、自分の悩みあったカウンセラーを探しましょう。
例えば病院などの医療機関に在籍している医師免許を持つカウンセラーは、薬を処方する薬物療法か、そこにカウンセリングも併せるといった対応がほとんど。
一方で医師免許を持たないカウンセラーは薬の処方ができないため、薬を使わない対応をしているのです。
もし眠れないので不眠を改善するための薬を処方してほしいと思い、よく調べずに医師免許のないカウンセラーの元へ行ってしまったとします。
すると、「自分の思っていたカウンセリングとは違う」と落ち込んでしまうことも。
そうした失敗がないように、自分の悩みに適したカウンセラーを選びましょう。
口コミや評判などは最低限確認する
Webで気になったカウンセラーやカウンセリングルームの名前を検索してみると、
そのカウンセラーのカウンセリングを受けたことがある(またはカウンセリングルームに行ったことのある)クライエントの口コミが見つかる場合があります。
匿名性の高いWebならではの、カウンセラーやカウンセリングルームに対する不平不満や良い評判を読むことで、
あらかじめどういった人物・場所であるかを最低限確認しておくといいでしょう。
周りにカウンセリング経験のある人がいればその人におすすめのカウンセラーを紹介してもらうのが一番。
でもそんな人がいないときは、Webで検索することである程度の口コミや評判を知ることができますよ。
そうならないための解決法【当日編】
- 「カウンセリングに通ったせいでお金や時間を無駄にした」
- 「カウンセラーとの相性が悪かったせいで、余計に状態が悪化した」
なんて事態を避けるために大事なことが、以下3つの事項です。
- 「自分は何を解決したくてカウンセリングへ行くのかちゃんと伝えること」
- 「見栄を張らずにカウンセラーへ心を開くこと」
- 「自分が改善するためにはどの程度の期間、カウンセリングへ通えばいいのか確認すること」
1つずつ解説していきましょう。
何を解決したいのかはハッキリ伝える
- カウンセラーにどういった対応をしてほしいのか
- 自分はカウンセリングに通うことでどうなりたいのか
をイメージしてください。イメージできたなら、それをカウンセラーにハッキリと伝えましょう。
例えば人前に出ると何も話せなくなることに悩んでいるなら、最終目標は「人前で緊張せず堂々とスピーチできるようになりたい」とします。
カウンセラーにそのまま伝えれば、カウンセラーは「このクライエントにはどういったカウンセリング内容が適しているか」を考えてくれます。
何を解決したいのかわからないし、自分はどうなりたいのか想像できないという人もいるはず。
そんなあなたは「どうすれば不安な気持ちがなくなりますか?」など曖昧でもいいので聞いてみましょう。
モヤモヤする気持ちを言葉に出すことで、自分でもどうしたいのかが整理できますよ。
言葉を着飾らず想いのまま吐き出す事を意識する
カウンセリング中だけでも、自分を取り繕うことはやめましょう。
変に見栄を張って辛いのに辛くない態度を取ったり本音を隠していると、あなたの精神にとっても良くありません。
お金の無駄だと感じるようなカウンセリングにしないためにも、言葉を飾らずに自分が思っていることを正直に吐き出すことが大事なのです。
カウンセラーはあなたの全てを受け入れてくれるので、安心して話してください。
カウンセラーには守秘義務がありますから、あなたから聞いた話しを誰かにバラすことはしません。
カウンセラーを信じて心を開いて悩みを打ち明ければ、あなたの抱える問題を解決する方法も導き出されるでしょう。
治すための道筋・回数の目安をカウンセラーに聞く
初めてカウンセラーと会う場合、以下の内容を聞いておくことをおすすめします。
- 自分の症状を治すためにはどういったことをすればいいのか
- どのくらいの回数カウンセリングへ通うのか
何をするにもゴールを決めておく方がやる気が出るというもの。
ゴールを決めずにだらだらと走り続けるよりも、「3km先がゴール」とわかっている方が頑張ろうと思えますよね。
- 「最終的にどうなりたい」
- 「どういったカウンセリングや心理療法を受けたい」
- 「仕事で忙しいからあまり頻繁に通えない」
など、希望はあらかじめ伝えておくことがベスト。
カウンセラーと意見のすり合わせをしておくことで、通っている途中で「いつまで続ければいいんだろう…」とやる気を失うことを防げるのです。
まとめ:お金の無駄にしない効果的なカウンセリング
お金の無駄だったなんて思わない効果的なカウンセリングを受けるために、
カウンセリングに関する予備知識を仕入れておいたり、カウンセラーの口コミや評判をある程度Webなどで調べておきましょう。
また、当日初めてのカウンセリングへ行ったときには、
「自分はこうなりたい」とか、「どの程度の期間カウンセリングに通い続ければいい?」とハッキリ聞いておくことがおすすめ。
また、取り繕わず自分の気持ちを吐き出すことで、「カウンセリングを受けて良かった」と満足することができます。